CXMT、4F² DRAM試作品の検証完了 スマホ・PC向けメモリー価格への影響はまだ先
画像=AI生成のイメージ(実際の撮影写真ではありません)

[DiaryPoint=記者チェ・スンジン]中国のメモリーメーカーCXMTは10月30日、4F²を基盤とする第6世代DRAMプロセスプラットフォームのエンジニアリングサンプルについて、検証を完了したと発表した。製品開発が進んだことを示すが、スマートフォンやPCのメモリー価格をすぐに押し下げる製品が市場に登場したわけではない。

4F²は、DRAMのセル1個が占める面積を表す。Fはプロセスで使われる最小線幅を指し、4F²セルは面積が4F²の構造だ。広く使われている6F²構造と線幅が同じだと仮定すると、セル面積は理論上約3分の1小さくなり、同じ面積により多くのデータを収められる可能性がある。

セルを縦に配置してスペースを節約

DRAMは、電荷を蓄えるセルを密に並べてデータを保存する。4F²構造ではトランジスターを垂直方向に立て、セルの配置に必要なスペースを減らす。セル面積が小さくなれば、チップ面積あたりの記憶容量を増やしたり、同じ容量のチップを小型化したりできる可能性がある。

ただし、セル面積が縮小しても、完成品の価格が同じ割合で下がるとは限らない。実際のメモリーチップには周辺回路や入出力構造が含まれ、プロセスの難易度、歩留まり、生産量、顧客企業による認定もコストと供給量を左右する。4F²構造の理論上の集積度と、消費者が購入するメモリー製品の価格は分けて考える必要がある。

今回は試作品の検証段階

CXMTが公表したのは、エンジニアリングサンプルの検証完了だ。開発上の重要な節目ではあるものの、公開資料だけでは具体的な容量や速度、歩留まり、顧客企業の評価結果、量産規模は確認できない。同社は段階的な量産方針に触れたが、消費者向け製品の発売時期や供給量は示していない。

サムスン電子も2026年の国際固体素子回路会議(ISSCC)で、垂直チャネルトランジスターを採用した4F² DRAMの研究成果を発表した。次世代セル構造をめぐる動きはCXMTに限らない。SK hynixも次世代DRAM構造を研究しているが、今回の発表だけで各社の量産規模の差や性能の優劣を判断することはできない。

スマートフォン向けLPDDRやPC向けメモリーの価格に影響が出るには、検証を終えた製品が顧客企業に採用され、意味のある規模で供給される必要がある。今回の発表が示すのは、その前段階にあたる技術の進展だ。今後CXMTが製品仕様や量産時期、供給規模を公表するかが、消費者向けメモリー市場の変化を見極める手がかりとなる。